ShopifyやBASEで免許は取れる?IT専門家が教える「20歳未満飲酒防止」表示の落とし穴(2026/4/17)
インターネットでお酒を販売するために「通信販売酒類小売業免許」を申請する際、多くの方がShopifyやBASE、STORESといった便利なASPカートを利用されます。しかし、これらのシステムを使って「手引き通り」にサイトを作ったつもりでも、税務署の審査で「これでは不適切です」と突き返されるケースが非常に増えています。
なぜ、最新のWebシステムを使っているのに、免許の要件を満たせないのでしょうか。国税庁の指針とIT実務の観点から解説します。
1. 手引きが求める「20歳未満飲酒防止」の厳格な表示
ネット販売において、税務署が最も厳しくチェックするのが「年齢確認」の導線です。国税庁の手引きには、以下のように明記されています。
通信販売酒類小売業免許申請の手引(国税庁)より引用:
「酒類の通信販売を行う場合には、①酒類に関する広告又はカタログ等(インターネット等によるものを含みます。)に『20 歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている』又は『20 歳未満の者に対しては酒類を販売しない』旨、②酒類の購入申込書等の書類(インターネット等により申込みを受ける場合には申込みに関する画面)に、申込者の年齢記載欄を設けた上で、その近接する場所に『20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されている』又は『20歳未満の者に対しては酒類を販売しない』旨(中略)を表示しなければなりません。」
ここで重要になるのが、「申込者の年齢記載欄を設けた上で、その近接する場所に」という要件です 。
2. ASPカートの「標準機能」という落とし穴
多くのASPカートには、標準機能として「年齢確認ポップアップ」が備わっています。しかし、実はこのポップアップだけでは、手引きにある「購入申込に関する画面への年齢記載」および「その近接する場所への警告表示」という要件を完全には満たせない場合があります。
例えば、注文確定ボタンを押す直前の確認画面において、年齢入力欄と警告文が「同一視野」に入っていないと、不適切と判断されるリスクがあります。ShopifyやBASEなどのシステムは世界基準や汎用的なデザインで作られているため、日本の酒税法特有の「重箱の隅をつつくような表示位置」に、標準機能のままでは対応しきれないことがあるのです。
3. 文字サイズ「10ポイント」の壁
さらに、表示の内容だけでなく「見た目」にも厳格なルールが存在します。
手引「酒類の通信販売における表示」より引用:
「この表示は、明瞭に表示するものとし、表示に使用する文字は 10ポイントの活字(インターネット等による場合には酒類の価格表示に使用している文字)以上の大きさの統一のとれた日本文字としてください。」
スマホでの閲覧を前提とした現代のWebデザインでは、デザイン性を重視して注釈を小さく表示しがちです。しかし、ITの知識がないままテンプレートを使用していると、この「価格表示以上の文字サイズ」という要件を見落とし、審査の最終段階でデザインの根本的な修正を命じられる事態を招きます。
結論:システムの「仕様」を知らなければ、法務は通らない
ネット販売の免許申請は、単に書類を出す作業ではありません。「税務署が求める法的なロジック」を、いかにして「ASPカートの制限された仕様」の中で実現するかという、ITのパズルを解く作業でもあります。
一度サイトを作り込み、商品を登録した後に「システムの仕様上、警告文が適切な位置に出せないから免許は出せない」と言われてしまったら、それまでの準備期間や外注費はすべて無駄になってしまいます。
当センターでは、IT企業での実務経験を背景に、主要なASPカートの仕様を熟知しています。申請前にサイト構成を診断し、不許可リスクを最小限に抑えた状態で審査へ臨むお手伝いをいたします。
【初回オンライン相談(30分)は無料です】
「今のサイト構成で本当に大丈夫か?」と不安を感じたら、手遅れになる前にぜひ一度ご相談ください。
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